クラウドコンピューティングで何がよくなるのか

2009年はかまびすしくクラウドコンピューティングで始まって、今のなんだか続いてるような雰囲気だ。確かに、CPUの性能向上はすごい。ディスク容量の増加率はさらでも。ネットワーク帯域に至っては日本は世界で最も快適な環境に違いない。
しかしちょっと待ってほしい、そうした話は、みんなH/W-物理層の話なんだ。
クラウドコンピューティングでどんなことが実現できるんだろう、何をみんな期待してるんだろう。

  • エンドユーザ:所有しなきゃならなかった、H/WやS/Wを買わなくていい!世の中、不景気な昨今、設備投資で一時的にでも大きなお金を払うのはリスクが高いよね。
  • SIer:車と同じように、システムは急には変えられない。むしろ、プライベートクラウドっつうの?新しい仕事ができて願ったりかなったりだよね!
  • 情報通信サービス会社:しめしめ、クラウドサービスを売り込めれば、毎月安定的な収入が確保できる。自社でクラウドサービスシステムを持たなきゃいけないからその点、設備投資しないといけないけど。この流れだったななんとかなるかも。
  • 計算機やさん:所有するより使用するんだから、売れるはずの計算機の絶対数は減っていく。利益率に余裕があるうちに新たなマーケットフロンティアを開拓せねば。もう汎用機じゃだめでしょ。PCもだめだね。これからはモバイル!カーナビ!これでいつでもどこでもだれとでも、ユビキタスってすばらしーい。

こういう話なんだろうか。

一番厳しいリスクを持っているのは、製造業の計算機やさん。
中長期的には売上が減衰していくはずだよね。だって、うまく数を捌けるマーケットが開拓できない限りは、確実に売り上げが減ることになるんだから。
もう、(加熱ぎみの)同業他社と製品開発競争も少し長いスパンで実施しなくては
いけないのかもね。だって、はっきりいって、性能容量信頼性はもう十分しょ。
ある種の満足度の閾値を、コンピュータシステムは超えてしまったと思う。電池や、電球みたいな、真の商品goodsに変わってしまったと思うのは考えすぎだろうか?

これからコンピュータは、伝統工芸品の一種として、つまりある種の特注品生産のように変わっていくのかもしれない。今、その潮目の縁なのかも。